買ったクリックの半分が、人ではないかもしれません

広告計測
買ったクリックの半分が、人ではないかもしれません

クリック単価が20分の1の配信面があります。安く見えます。

ある健康食品ECで、その配信面のクリックを22,064回買いました。実際にページへ到達したのは108人です。

0.49%です。 同じ時期、別の配信面では11.5%でした。23倍の差です。

結論を先に書きます

クリック単価だけで配信面を選ぶと、ここで負けます。

クリック単価が20分の1でも、到達率が23分の1なら、1件あたりのコストは変わりません。 むしろ悪くなります。

見るべきは、クリック単価ではなく「到達1人あたりのコスト」です。

到達1人あたり = クリック単価 ÷ 到達率

実測の中身

同じ事業者、同じ時期、同じ記事LPです。配信面だけが違います。

配信面クリック到達到達率クリック単価
通常の面4,13647411.46%87円
低単価の面22,0641080.49%9円

到達1人あたりに直すと、こうなります。

  • 通常の面:87円 ÷ 11.46% = 759円
  • 低単価の面:9円 ÷ 0.49% = 1,837円

低単価の面のほうが、2.4倍高いという結果でした。

この数字は再現しています

同じ事業者で、別の日、別のキャンペーンでも測りました。

1回目2回目
通常の面12.60%11.46%
低単価の面0.76%0.49%

2回とも、同じオーダーの差が出ました。

1回目と2回目は別のキャンペーン、別の記事LP、別の期間です。それでも同じ結果になりました。

なぜ到達しないのか

原因は分けて考える必要があります。測れるものと、測れていないものがあります。

測れるもの

原因割合
先読み(ブラウザやアプリの事前取得)48.2%
ボット・不正クリック3.5%

測れていないもの

  • 誤タップ — 閉じるボタンを押そうとして広告に当たる
  • 見たが興味がなかった — 開いてすぐ戻る

低単価の配信面は、ゲームやツールのアプリ内が多くなります。 実際に配信先を確認したところ、パズル・マッチ3・ポイント獲得系で表示の65%を占めていました。

この環境では、誤タップが構造的に起きやすいと考えられます。ただし、これは推測です。

悪い配信先を外せば直るのか

試しました。動きませんでした。

配信先のアプリを1,116件除外したグループと、除外しないグループを比べた結果です。

到達率
1,116件を除外0.51% / 0.52%
除外なし0.35%
前回の測定(除外なし)0.76%

1,116件も外して、前回の除外なしより低い結果でした。

件数が少ないので断定はできません。ただし「悪いアプリを外せば到達率が上がる」なら、もっと大きく動くはずです。

動かないなら、問題は個別のアプリではなく、その配信環境そのものかもしれません。

配信先を選ぼうとすると、壁があります

「良いアプリだけに配信すればいい」と考えたくなります。現状では難しいです。

配信先のアプリ別レポートを確認したところ、取れる項目は「表示回数」と「ジャンル」だけでした。

項目アプリ別に取れるか
表示回数取れる
ジャンル取れる
クリック / 消化額取れない
到達 / 受注取れない

成果では選べません。 表示回数の多い順か、ジャンルで切るかしかありません。

除外リストを作っても、それは「表示が多い順に外した」だけになります。成果を根拠にしたものではありません。

では、どうするか

3段階で考えることを勧めます。

① まず到達1人あたりのコストで並べ直す

クリック単価ではなく、上の式で計算してください。順位が変わる可能性があります。

② ジャンルで切ってみる

成果では選べませんが、ジャンルは選べます。ポイント獲得系は、購買の意図がいちばん低いと考えられます。 ここを外して、到達率が動くかを見ます。

ただし、これは仮説です。 ジャンル別の到達率を測ったわけではありません。

③ 動かなければ、その配信面を使うかどうかを判断する

選定で解決しないなら、残るのは「使うか使わないか」の判断です。

到達率をどうやって測るか

媒体のクリック数と、自社側の到達数を割るだけです。

到達率 = 自社で数えた到達数 ÷ 媒体のクリック数

分子が問題です。自社側で到達数を数えていない企業が多いです。

カートシステムに広告別の流入を集計する機能があれば、そこから取れます。まず管理画面を探してください。 ある事業者では、広告別の流入数を出す画面が既にありました。使っていなかっただけです。

無ければ、記事LPにタグを置いて数えることになります。

よくある質問

到達率が低いのは、記事LPが重いからではないですか

その可能性はあります。ただし同じ記事LPで、配信面によって23倍違いました。 ページの重さだけでは説明がつきません。

先読みが48%というのは、除外すべきですか

分母から除くべきです。 人が見ていないページビューを分母に入れると、到達率が実際より高く出ます。

ただし、先読みを配信面別に分けられませんでした。 どちらの面でどれだけ発生しているかが分かっていません。

クリック単価が安い面は、使わないほうがいいですか

到達1人あたりで計算してから判断してください。 安いこと自体は問題ではありません。到達率が伴っていれば、そのまま有利です。

媒体に問い合わせれば、詳しい配信先データはもらえますか

聞いてみる価値があります。 管理画面で見られる範囲と、問い合わせて出してもらえる範囲が違うことがあります。

不正クリックの検知ツールは入れるべきですか

実測では3.5%でした。 これを止めても、99%台の消失は説明できません。優先度は、到達率の測定より低いと考えられます。

この分析には、どのくらいの期間が要りますか

到達率を出すだけなら、1週間分のデータで傾向は見えます。 配信面ごとの比較なら、それぞれに一定の配信量が必要です。

この記事で扱わなかったこと

★ 断定していないこと

私は、23倍の差が他の事業者でも起きると確認していません。 同一事業者で2回測って再現しましたが、他社では確かめていません。

私は、誤タップが原因だと確認していません。 配信先のジャンル構成から推測していますが、滞在秒数を測って確かめたわけではありません。

私は、除外リストが効かないと断定していません。 件数が少なく、統計的に差が無いとしか言えない状態です。

私は、ジャンルで切れば改善すると確認していません。 ジャンル別の到達率を測っていません。

私は、先読み48.2%の判定根拠を確認していません。 LP基盤が出したパラメータを集計しただけです。

相談先

クリック単価の安い配信面を使っているが、成果に繋がっている実感がない。そうした段階でご相談ください。

弊社は単品リピート通販・D2C向けに、ECシステム、CRM、運営代行、新規顧客獲得、物流までを扱っています。到達率の測定もその一部です。

まず、いまの管理画面から到達数が取れるかを確認するところから始めます。

出典・注記

  • 本文中の実測値(到達率11.46%と0.49%、再現時の12.60%と0.76%、クリック単価87円と9円、除外1,116件の結果、配信先ジャンルの構成、先読み48.2%、不正3.5%)は、国内の健康食品EC1社における2026年8月の実測です。事業者名・商品名・媒体名・配信面名は伏せています
  • 到達1人あたりのコスト(759円と1,837円)は、上記の実測値から計算した値です
  • 配信先のアプリ別に取れる項目は、媒体の管理画面から出力できるレポートを確認した結果です
CONTACT

まずは、お気軽にご相談ください

MOTENASU BRAINの機能・料金・導入事例について、担当者がご説明します。デモのご希望・個別のご相談もお気軽にどうぞ。

お問い合わせ・ご相談
お電話でのお問い合わせ: 03-6628-4448